しごとクリエイター紹介:小田勝宣さん
プロフィール
神奈川県横浜市出身。中央大学卒業後、食品メーカーに就職。福岡支店と広島支店にて法人営業活動に従事。担当エリアの被災時(2016年熊本地震、2018年西日本豪雨)の復興ボランティアへの参加を機に、地方移住を考えるようになる。その後、長崎県へ移住。得意の英語を活かし、大学事務業務に従事。さまざまなバックグラウンドを持つ学生・教員と触れ合ううちに、自分の経験を活かし地方の教育に関わることができないか考えるようになり岩手町地域おこし協力隊へ応募。令和4年4月から、しごとクリエイターとしての活動を行っている。
岩手町の地域おこし協力隊(しごとクリエイター)を選んだきっかけ
前職が地方大学の大学院における事務職でした。その大学院は学生の半数以上が留学生で、すべての授業が英語で行われるため、国籍も年齢も経歴もさまざまな人が集まっていました。国際保健を扱う分野だったので、先生や学生から、発展途上国における活動を熱く語られることも多く、これまで「友人や家族にどう思われるか」「世間での評判はどうか」といった軸で自分のキャリアを考えていた私にとって、「世界をよくしたい」という想いで日々奮闘する彼らの姿に衝撃を受けました。
その頃ちょうど、地域おこし協力隊制度を知りました。世界をよくするほど大袈裟なことはできないかもしれないけど、地域の人と一緒に課題解決に取り組むことができるなら、それはとても意義深いことだと考えました。ただ、せっかく働くのであれば、任期が終わった後もしっかり自活していきたい。そのためには提示されるミッションをただこなすだけの活動では意味がないと考えていました。全国あらゆる自治体が募集している地域おこし協力隊の中で、岩手町では採用プロセスの一環として事業計画の提出を求められます。本気で「しごと」を「創造(クリエイト)」するつもりがある人を集めていることがわかり、この町でチャレンジしてみたいと感じました。
しごとクリエイターとしての活動について
私は選考時に、地域密着型の学習塾を開業したいことを伝えていました。そのため今は、学習塾開業に必要な情報収集やノウハウの習得に努めています。具体的には、町内の教育に関するイベントの参加やお手伝い、また、近隣市町村での取り組みの視察などです。
しごとクリエイターは、自分で考えて行動することが求められます。その代わり、考えたことについては町役場の担当者やメンターのNPO法人wizの皆さんが全力でサポートしてくれます。たとえば、私自身は塾講師としての経験がなかったので、講師スキルや運営ノウハウを学ぶため、現在、近隣市町村が実施している公営塾で週2日研修をしています。これは、ノウハウ習得のために研修へ行かせてもらうことは可能かと岩手町役場の担当者に相談したところ、先方の担当者と協議をしてくださったことで実現しました。
しごとクリエイターは、自分のキャリアと将来設計、それが町のためにどう役立つのかを常に考えて行動できる人にとっては、自由度の高い活動ができる制度だと思います。
岩手町での暮らしで感じたこと
移住者をあたたかく迎えてくれる土壌があると感じました。移住後、多くの方から「岩手町に来てくれたことがありがたい。嬉しい」と声をかけていただいています。また、これまで関東と九州での生活が長かった私にとって、4月でも雪が降ることのある気候には驚きました。日中と朝晩の寒暖差が大きいので、体調管理には気をつかっています。それから、個人的にすごくよかった点として、地元産の野菜が豊富なことが挙げられます。野菜がすごく好きで、季節問わず週1回は必ず野菜たっぷりの鍋を食べるほどなので、地元の新鮮な野菜が食べられることを嬉しく思います。